脱毛したのに毛が抜けない・伸びてる?照射後の経過を物理で解説|毛が押し出される理由
「照射してもう1週間たつのに、全然抜けないんですけど……」「むしろ、前より伸びるのが早い気がする」——初回のあと、LINEでいちばんよくいただくご相談です。
先に答えを言うと、照射のあとすぐに毛が抜けないのも、伸びたように見えるのも、よくある経過のひとつです。光脱毛は、その場で毛を消す施術ではありません。照射のあと、毛は時間をかけて表に出てきて、少しずつ入れ替わっていきます。
今回は、照射のあと毛の中で何が起きているのか、「伸びてる?」の正体は何なのかを、熱の伝わり方から解説します。経過中にやらないでほしいことも最後にまとめました。
光脱毛は「その場で毛を消す」施術ではない
まず、照射のときに起きていることをおさらいします。
肌に当てた光は、毛の黒い色素(メラニン)に吸収されて熱に変わります。その熱が毛を伝って根元へ届き、毛乳頭(もうにゅうとう)まわりを65℃以上に温めることで、毛が生えにくい状態へ導いていく。salon and.では、0.1秒未満の照射時間を0.1秒単位で調整しながら、この温度に届く設定を組み立てています。
ここで大事なのは、照射で温めているのは「毛の根元の環境」だということ。毛の本体は、照射のあともそのまま毛穴の中に残っています。
たとえるなら、植木鉢の植物の根元にお湯をかけたようなもの。かけた瞬間に植物が消えるわけではなく、根元の環境が変わったことで、そのあと少しずつ様子が変わっていきます。だから照射の直後に「抜けてない!」となるのは、むしろ自然なことなんです。
照射直後に感じやすい変化
照射の直後は、毛の見た目はほとんど変わりません。ただ、指でなでたときの触り心地がマイルドになったと感じる方は多いです。見た目より先に、まず手ざわりに変化が出やすいと覚えておいてください。
「伸びてる?」の正体は、毛が押し出されてくる現象
照射から数日〜2週間ほどのあいだに、「剃っても剃っても、すぐ出てくる」「前より伸びるのが早い」と感じることがあります。これが今回いちばんお伝えしたいポイントです。
照射で熱を受けた毛は、毛穴の中での支えがゆるみ、やがて押し出されるように表面へ出てきます。もともと皮膚の下に隠れていた部分まで表に出てくるので、外から見ると「急に伸びた」ように見えるわけです。
イメージとしては、根元がゆるんだ杭が、地面から少しずつせり上がってくる感じ。杭そのものが伸びているわけではなく、地面の中にあった部分が上がってきているだけです。
つまり「伸びてる」ように見える毛の多くは、新しく元気に伸びている毛ではなく、出ていく準備をしている毛です。
押し出されてきた毛の見分け方
押し出されてきた毛には、こんな特徴があります。
- 洗顔やタオルでこすったときに、ポロッと取れることがある
- 剃ったあとのチクチク感が弱い、手ざわりがやわらかい
- 毛穴の中に黒い点のように見えていた毛が、表面に浮いてくる
ここで「抜けそうなら抜いちゃおう」と毛抜きを使うのはNGです。理由は後半で説明します。
10日〜2週間で「抜けてきた」と感じやすい理由
押し出されてきた毛は、照射からおよそ10日〜2週間ほどで抜けてきたり、伸びるペースが遅くなったと感じられたりすることが多いです。
すぐではなく少し時間がかかるのは、毛が毛穴の中をゆっくり移動して表に出てくるから。熱を受けた瞬間に抜けるのではなく、ゆるんだ毛が押し上げられて、表面までたどり着くのに日数がかかるわけです。
また、同じ部位の中でも、毛ごとに出てくるタイミングはバラバラです。一気にツルッとなるというより、「あれ、このへん少なくなったかも」と、まだらに変化していくのが普通の経過です。
抜けはじめるタイミングや変化の出方には個人差があります。毛の太さ・濃さ、部位、肌の状態によっても変わります。
「全然変わらない」と感じるときに考えられること
2週間ほどたっても「変化がわからない」と感じる場合、主に次のようなことが考えられます。
① その日、成長期の毛が少なかった
光の熱が毛乳頭まで届くのは、毛乳頭とつながっている「成長期」の毛だけです。毛には「生える・休む・抜ける」のリズム(毛周期)があり、毛穴ごとに今どの時期かはバラバラ。照射の日に成長期の毛が少なければ、そのぶん変化も小さく見えます。くわしくは「脱毛はなぜ1回で終わらない?」の記事をご覧ください。
② 休んでいた毛が、入れ替わりで出てきている
照射した毛が抜けていく一方で、休止期だった毛穴からは新しい毛が生えてきます。抜けた毛と、新しく出てきた毛が入れ替わっているので、鏡で見た毛量はあまり変わらないように感じることがあります。変化がないのではなく、見た目の差し引きがゼロに近いだけ、ということも多いです。
③ 初回は肌の反応を見ながら設定している
皮膚は約43℃から「熱い・痛い」と感じはじめ、そこから1℃上がるごとに皮膚の中で起きる変化の速度が約2倍になります(サーマルドーズ)。初回は肌の反応を確かめながら設定を組み立てるので、回数を重ねて毛と肌の情報がそろってくるほど、その人に合った照射に近づいていきます。
2回目以降の経過:毛が「飛び出す」ように出てくる
回数を重ねたときの変化の目安は、こんな流れです。
- 照射直後:毛の触り心地がマイルドに感じられる
- 10日〜2週間:毛が抜けてきたり、伸びるのが遅く感じられたりする
- 2回目:前回反応していた毛が、照射のあとに飛び出すように出てくる
- 2〜3回目:毛量の変化がはっきり感じられるようになる
2回目の照射のあとに「飛び出してくる」毛は、1回目に熱を受けて生えにくい状態へ向かっていた毛が、2回目をきっかけに表へ出てくるものです。1回目で「変わらないかも」と思っていた方も、2回目のあとに変化を実感されることが多いです。
回数が進むと、毛は細く、少なくなっていきます。毛が変われば光を受け止めるメラニンの量も変わるので、当サロンでは毎回の毛を見て、カットフィルターや照射時間を組み直しています。
経過中にやらないでほしいこと
毛抜きで抜かない
押し出されてきた毛が気になっても、毛抜きで抜くのは控えてください。
理由はシンプルで、光の熱は「毛」を通り道にして根元へ届くからです。毛抜きで抜いてしまうと、その毛穴には光を受け止める毛がない状態になります。熱の通り道がなくなってしまうので、次回の照射で反応できる毛が減ってしまいます。まだ成長期の毛まで一緒に抜いてしまうと、なおさらです。
洗顔やタオルで自然に取れるぶんは問題ありません。「自然に取れるのはOK、引っこ抜くのはNG」と覚えておいてください。
剃るのは電気シェーバーで、来店日は剃らずに
普段のお手入れで剃るのは大丈夫です。肌への負担が少ない電気シェーバーがおすすめです。
ただし、来店の日は剃らずにそのまま来てください。伸びている毛を見ると、前回からどう変わったのか、今どの毛が元気に伸びているのかがわかります。経過を判断するいちばん確かな材料が「今の毛」なんです。理由は「脱毛前に剃らなくていい?」の記事でくわしく書いています。
照射した日は、肌を温めすぎない
照射のあとの肌は、熱を受けたばかりの状態です。当日は、サウナや長風呂、汗をたくさんかく運動、お酒の飲みすぎなど、体や肌をさらに温めることは控えめにしてください。日焼けも肌への負担につながるので、経過中は日差し対策もしておくと安心です。
まとめ
- 光脱毛は、その場で毛を消す施術ではない。照射直後に毛が残っているのは自然なこと
- 「伸びてる?」の正体は、熱を受けた毛が押し出されて表に出てくる現象であることが多い
- 10日〜2週間ほどで、抜けてきた・伸びが遅くなったと感じやすい(個人差あり)
- 変化がわかりにくいのは、毛周期や毛の入れ替わりで見た目の差がつきにくいことがあるから
- 2回目のあとに毛が飛び出し、2〜3回目で毛量の変化を実感しやすい
- 経過中は毛抜きで抜かない。来店日は剃らずに来る
「自分のヒゲはどんな経過になりそうか」は、実際の毛を見るのがいちばん確実です。まずは1部位から体験してみてください。照射のあと気になることがあれば、LINEでいつでもご相談ください。毛の状態を見ながら、今どの段階にいるのかをご説明します。
