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脱毛はなぜ1回で終わらない?毛周期を物理で解説|通う回数と間隔の理由

2026-10-18 ・ 文:八木 貴大(Salon and.)

「脱毛って、1回で全部なくならないんですか?」「結局、何回くらい通えばいいんですか?」——カウンセリングで、いちばんよくいただく質問のひとつです。

先に答えを言うと、1回で終わらないのは機械のパワー不足ではありません。毛そのものに「生える・休む・抜ける」のリズムがあるからです。このリズムを「毛周期(もうしゅうき)」と呼びます。

今回は、毛周期とは何か、なぜ光が効く毛と効かない毛があるのか、そして通う間隔にどんな根拠があるのかを、「熱の伝わり方」から解説します。

毛には「生える・休む・抜ける」のサイクルがある

ヒゲも髪の毛も、一本一本がずっと同じペースで伸び続けているわけではありません。それぞれの毛穴が、次の3つの時期を順番にくり返しています。

  • 成長期:毛の根元にある「毛乳頭(もうにゅうとう)」から栄養を受け取って、どんどん伸びている時期
  • 退行期:成長が止まり、毛が毛乳頭から離れはじめる時期
  • 休止期:毛が抜け落ちる、または抜ける準備をしてお休みしている時期。やがて同じ毛穴で次の毛が作られはじめます

この1周は部位によって差がありますが、およそ1年がひとつの目安です。

そして大事なのが、隣り合う毛穴どうしでも、今どの時期にいるかはバラバラだということ。同じ鼻下でも、伸び盛りの毛のすぐ隣で、別の毛穴はお休み中——ということが普通に起きています。

光が反応するのは「成長期の毛」だけ

光脱毛(IPL)の仕組みをざっくり言うと、こうです。

肌に当てた光は、毛の黒い色素(メラニン)に吸収されて熱に変わります。その熱が毛を伝って根元へ届き、毛乳頭を60℃以上に温めることで、毛を作る機能を失わせていく。これが、Salon and.が出力を設計するときの目標です。

ポイントは「毛を伝って」の部分です。成長期の毛は毛乳頭としっかりつながっていて、いわば熱の通り道がつながっている状態。毛の中で生まれた熱が、そのまま根元へ流れ込んでいきます。

一方、退行期や休止期の毛は、すでに毛乳頭から離れています。たとえるならコンセントの抜けたアイロン。本体(毛)をいくら温めても、肝心の根元(毛乳頭)には熱が届きません。休止期で毛が抜けたあとの毛穴なら、そもそも光を受け止める毛自体がない状態です。

「じゃあ出力を上げれば、休んでる毛にも届くのでは?」

残念ながら、つながっていない毛に熱を流し込むことはできません。出力を上げて増えるのは、周りの皮膚の温度のほうです。皮膚は約43℃から「熱い・痛い」と感じはじめ、そこから1℃上がるごとに皮膚の中で起きる変化の速度が約2倍になります(サーマルドーズ)。届かない毛のために出力を上げるのは、肌への負担を増やすだけ。だから当サロンでは「その日、反応できる毛」に狙いをしぼって出力を組み立てます。痛みと熱の関係は「脱毛はなぜ痛い?」の記事でくわしく書いています。

1回で全部の毛がなくならない理由

ここまでくると、答えが見えてきます。

鏡で見えているヒゲのうち、照射の日に成長期にいるのは一部だけ。さらに皮膚の下には、休止期で「次の出番」を待っている毛穴もたくさんあります。

イメージとしては、学校の連絡を、その日に出席している生徒にしか直接伝えられないようなもの。休んでいた生徒には、登校してきた日にあらためて伝える必要があります。

脱毛も同じで、1回の照射で届くのは「その日に出席している(成長期の)毛」だけ。休んでいた毛穴は、成長期に入ってきたタイミングでもう一度照射する必要があります。脱毛は、毛穴を一つずつ「出席しているタイミング」で捉えていく作業なんです。

通う間隔は「詰めれば早く終わる」わけではない

「早く終わらせたいから、毎週でも通いたい」という声もいただきます。気持ちはすごくわかります。

ただ、照射してすぐの時期は、次に成長期に入ってくる毛がまだ揃っていません。このタイミングで照射しても反応できる毛は少なく、肌には熱だけが加わることになります。

休んでいた毛穴が成長期に入ってくるのを待ってから照射するほうが、1回あたりに捉えられる毛が多くなり、結果的に効率がいい。具体的な間隔は、部位や毛の生え方、前回の反応を見ながら一人ひとり決めています。

剃らずに来ていただく理由

当サロンでは事前のシェービングは不要で、むしろ剃らずにそのまま来ていただくのがおすすめです。伸びている毛を見れば、今どのあたりの毛が元気に伸びているのか、前回からどう変わったのかが読み取れます。毛周期のどこにいるかを判断する、いちばん確かな材料が「今の毛」なんです。

回数が進むと、照射の設定も変わる

回数を重ねると、毛は細く、少なくなっていきます。毛が変われば、光を受け止めるメラニンの量も変わります。そこで、480/530/560/590/640nmのカットフィルターから毛質に合う波長を選び直したり、0.1秒未満の照射時間を0.1秒単位で調整したりして、その時点の毛に合わせた設定に組み直していきます。

回数を重ねると、何が起きるのか

毛周期を前提にした、変化の目安はこんな流れです。

  • 照射直後:毛の触り心地がマイルドに感じられる
  • 10日〜2週間:毛が抜けてきたり、伸びるのが遅く感じられたりする
  • 2回目:前回反応していた毛が、照射のあとに飛び出すように出てくる
  • 2〜3回目:毛量の変化がはっきり感じられるようになる

前回「出席していた」毛に変化が出て、休んでいた毛が順番に成長期に入ってくる。そこを毎回捉えていくことで、全体の毛量が少しずつ減っていく、というイメージです。

変化の出方やペースには個人差があります。毛の太さ・濃さ、部位、肌の状態によっても変わるので、毎回の状態を見ながらご説明します。

まとめ

  • 毛には「成長期・退行期・休止期」のサイクル(毛周期)があり、1周はおよそ1年が目安
  • 光の熱が毛乳頭まで届くのは、毛乳頭とつながっている成長期の毛だけ
  • 毛穴ごとに時期はバラバラなので、1回で届くのはその日に成長期の毛だけ。だから複数回かかる
  • 間隔を詰めすぎると、反応できる毛が少ないまま肌に熱だけが加わる
  • 剃らずに来店いただくと、今の毛の状態から最適な出力・フィルターを判断できる

「自分のヒゲは何回くらいで変わりそうか」は、実際の毛を見るのがいちばん確実です。まずは1部位から、今の毛がどう反応するか体験してみてください。毛周期のどのあたりにいそうか、当日の毛の状態を見ながらご説明します。

京都駅から徒歩3分、男性スタッフのみのメンズ脱毛サロン。

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